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2005年8月12日 (金)

無常の世界

色即是空・空即是色は、無常の世界を洞察した仏教の言葉である。そこには感情が込められているのだが、その感情の原因には触れられていない。このような相対世界の変化は西洋思想も知っている。プラトンのイデア論は、相対世界の変化を捉えつつ、それを無変化のイデアとの関係の中で解釈している。このイデアは、変化する存在の原点であり、それ自身、恒常的なものである。従って、これは神でなくてはならない。中世キリスト教思想家たちは、プラトンのイデアを、現実世界とは別の理想世界とはしないで、神の中に移しいれたのである。無常はすぐれて仏教思想と思われ、西洋にはないと考えられているかもしれないが、プラトンのイデア論の中に、現実的・相対世界がうつろいやすいものであるという洞察があると言える。感情的表現はなくとも、プラトンもまた無情を知っていたのである。

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