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2005年10月 4日 (火)

日本の使命

日本の使命は西洋思想との対話の中で形成されていくべきものである。西田幾多郎に、その典型を見ることができる。その対話を可能にする核心は何か、それに応える良書があるので紹介したい。
それは「絶対無と神」(小野寺功著、春風社・A5判・372頁・4600円)である。
 副題に「京都学派の哲学」とあるように、本書は主に西田幾多郎、田辺元など京都学派の哲学につながる有力な思想家と著者との対論である。西田、田辺のほかにも、波多野精一、西谷啓治、逢坂元吉郎、鈴木亨、滝沢克己、北森嘉蔵、武藤一雄らが対論相手になっている。著者は、これらの日本近代哲学を日本的霊性の自覚の論理ととらえて、キリスト教神学の日本的展開をめざしている。それは聖霊神学の構想として提起されている。著者の思索の旅の集大成というものとして本書はある。
 自伝風でもあり、エッセー風でもあり、また時には学術論文のようでもある。
 著者が特に力を入れているのは、聖霊のことである。西田の「純粋経験」「絶対無」などの経験の場に、聖霊論的思考の場を考えている。キリスト教が「聖霊の宗教」にまで深められた時、仏教や諸宗教とも響きあうものとなるという。これらの哲学が、実は、聖霊の働きを視野に入れた時、初めて理解されるという。
 この著者の労苦を踏み台にして、日本の哲学とキリスト教との対話、そして日本的文化土壌に根ざした神学の創造が求められている。

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