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2005年10月26日 (水)

希望の内容

大学紛争の時、「一点突破・全面展開」という言葉を聞いた。般若心経に色即是空・空即是色という言葉がある。これは対になっているところが大切だ。一点突破に至る道が実存の道である。そして突破すれば、希望に溢れた世界が待っている。しかし、大学紛争の時は、どうであったか。未消化、消化不良で、いつしか時が去り、関心が薄れたのではなかったか。そして、課題は残り、いま心の中に潜在している。人が生きるに大切なことに、信仰・希望・愛があるという。愛は聖霊の実感であり、今の問題だ。希望は未来のビジョンであり、信仰は愛を現在化する手段であると同時に、希望の内容を探ることに向けられなければならない。では、どんな社会を希望するのか。その時、歴史形成の原理を問い、その関係の中で、愛の溢れる社会を構想しなくてはならない。そんな社会がもっとも生きがいのある社会だからだ。そうした時、現代は、どんな時代なのだろう。キルケゴールやドストエフスキーの実存的時間は過ぎたように思える。では、一点突破したとして、われわれの眼前に前面展開の景色は広がっているのだろうか。もし、それが見えないとしたら、われわれにおける現代の把握があやふやだからではないのだろうか。その点を問い、回答を用意し、長い歴史観に押し出されて、ささやかな一歩を歩みだす、それは現代に反響を呼び起こすに違いないのだ。われわれは、希望の時代にいるのだろう。しかし、その希望が明確に分からない。だから、行動が伴わないのだ。希望を明らかにすれば、人は行動するであろう。

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