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2005年10月22日 (土)

暗黒の中世

以前、「暗黒の中世」と言われた。古代ギリシャが「命」、ルネサンスが「再生」、そうすれば、その間の時期、中世は「暗黒」となる。古代ギリシャとルネサンスの人間中心主義が、その後、啓蒙期にテーゼとして確認されて、中世の信仰共同体の瓦解を前進させた。もちろん、ルネサンスと同時に歴史的事件となった宗教改革の力が中世社会瓦解の突破口となったが、そこから、ユダヤ的伝統の神中心主義とギリシャ的伝統の人間中心主義が分離して、それぞれ歴史形成の二つの潮流となった。ルネサンス謳歌の中で前進していった近世の結末が、あの大戦であったとしたら、ルネサンス、啓蒙的史観の人間中心主義が裁かれたと見るしかない。こうして、歴史意識はポスト・モダンに移るのだが、中世の暗黒イメージにとらわれている人たちには、そこで中世という言葉を使うことにためらいがあるのだ。しかし、人間中心主義は、どこかで突破されねばならない。啓蒙期の哲学者、カントも、その示唆はしているのだ。そこで超越的価値の探求が必要となるのだが、それはギリシャではない、もう一つの伝統、ヘブライに学ぶことを通して可能となるのだ。ギリシャとヘブライとの対話、それが、歴史的中世同様に、新しい中世を形成する。

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