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2005年10月 4日 (火)

歴史の主役

西郷隆盛が征韓論に敗れて、下野し、やがて西南戦争が起こる。ここでの歴史の主役は西郷隆盛である。それは、それでいい。しかし、彼が下野しなかったら、歴史は変わっていたはずだ。では、なぜ西郷は下野したのか。下野の理由の一つは、明治政府の汚職体質にあったという。はじめて知った。その中心人物は、井上馨。「かれは公の持ち物と自分の持ち物がわからない、天性汚職の人です。一種特異人だったと思います。かれがいるから、周囲も汚職したというわけではなくあくまで特異な存在で、西郷隆盛の下野も、井上馨みたいなやつがいるからという気分があってのことのようです」(新潮文庫『司馬遼太郎が考えたこと』11、180頁)。
あの人がいるから、私は、ここにいたくない。彼とは一緒に仕事をしたくない。そんな人はいるものだ。光は自分に当たっているが、彼は影にいて、人に知られない。しかし、自分の行動を変えた彼もまた、歴史の主役なのではないか。歴史は、人間関係で動いていく。時に偶然とも言える人間関係で動いていく。脚光を浴びている人間だけが歴史の主役なのではなく、無名の人たちも歴史を動かしているのだ。「プロジェクトX」の主題は心打つものがある。

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