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2006年8月20日 (日)

裏切り者

ゴルバチョフと勝海舟は似ていると指摘するのは、電子工学者の西澤潤一さん。司馬遼太郎さんとの対談の中で言っている。(文春文庫『司馬遼太郎対話選集4 近代化の相剋』)

では、どこが似ているのか、裏切りの点だという。

「ゴルバチョフはソ連の指導者でありながら、従来の独裁体制を破壊して、産業構造でも競争方式の大幅導入などをやってのけた。ロシア人の幸福を志向してやっていることはよくわかりますが、ソ連の従来の国家体制から見れば多くの反対を押し切って体制破壊をやったことで裏切り行為になると思うんです。先生がよく書いていらっしゃるように、勝海舟のやったことも、幕臣でありながら幕府への裏切り行為でしょう」と西澤さんが言うと、司馬さんは「史上無類の裏切りでした」と応えている。

西澤「ゴルバチョフだって、あれは、社会主義体制に対する裏切者です」
司馬「だけど勝海舟もゴルバチョフも、なんか無心、無私の感じがするから、ソ連でもかれの旧原理への背反そのものについては議論ができない」

この二人については、何か、とんでもないことをしているような気がしていたが、その思いは、率直に言えば「裏切り」である。「裏切り」という最大の罪が罪でなくなるためには、無心、無私の心で、事を進めることだという。勝は自分を「幕臣」と言っていたが、見方を変えれば、幕臣どころか裏切り者。しかし、歴史が流れていって、二人は「よくやった」と思われている。

時に、歴史に判断を委ねることも必要だ。

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