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2006年8月 9日 (水)

見えない船

目をつむると見える、この船は
いったい、どこに行くのだろう
   
歴史という大河を
大勢の人間たちを乗せながら
   
ノアの方舟だった時には
船には動物の方が多かったのに
   
今では人間たちばかりの
異常な社会
   
一人だけの人間は
生きられないが
   
船の中では共鳴を糧にして
多くの人々がひしめき、生きている
   
それもまた
一つの生き物のようでもある
   
この見えない船は
いったい、どこに行くのだろう
   
船長とおぼしき人に聞いたら
「片道航路なので、誰も知らない」と言われた
   
それでも船中の人々に
不安の陰もない
   
共鳴に浮かれつつ我を忘れて
不安が目覚める時もない
   
集団から疎外された人間は
深淵を覗きこんだめまいを知っているのに
   
そして、めまいは
恐怖の予感なのに
   
今日もまた狂乱踊りで
日が暮れようとしている

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