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2007年4月30日 (月)

スコラ哲学

スコラ哲学は、9世紀ごろから宗教改革の始まる前、15世紀まで、教会や修道院附属学校(スコラ)の学僧の説いた哲学と言われる。内容については、こう言われている。

「超越的恩寵による啓示的真理と、自然理性による論証的真理とを、いかに区別し、かつ調和させるかということ」、そして「アリストテレスの形而上学と、キリスト教の啓示的真理とを、全く一致調和するものとして、一つの体系に完成させたのは、トマス・アクィナス(1224-74年)であった」

「ルターはこれに真向から対決せざるをえなかった。それは神の超越的真理を、人間理性で操作できる一般論に解消することに対する反対、と解することができる」

(以上『ルターと内村鑑三』高橋三郎・日永康共著、教文館、144頁)

この文章には注が必要ではないかと思います。まず、「アリストテレスの形而上学と、キリスト教の啓示的真理とを、全く一致調和するもの」とはトマスは言っていないと思います。アヴェロエス的アリストテレス主義の方が、あるいは純粋な、一貫したアリストテレス主義で、トマスの方は、キリスト教信仰に抵触する部分に関しては、アリストテレス主義を修正しているのです。

また、「神の超越的真理を、人間理性で操作できる一般論に解消することに対する反対、と解することができる」とスコラの説明をしていますが、スコラでは、哲学は「神学の侍女」と言われていたのですから、「人間理性で操作できる一般論に解消する」ことは、少なくともスコラの精神ではなく、ましてトマスにおいてはなかったと思います。

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