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2007年5月15日 (火)

神の権力

 ベルージャエフはこの歴史の場にあっては、神とサタンの二元論を強調する。そして、ニコラウス・クザーヌスの「無知の知」すなわち「反対の一致」によって、彼は神を全能の位から「一警官よりも権力がない」(『わが生涯』238頁)地位に落としている。

 人間の運命の悲劇性というのは、歴史のどの断面をとっても、必ず救済史と世俗史という原理的に異なる運動が見られるということであり、その中で宗教的用語は、その両運動の中で、受け取る人々の背景にある論理性の枠において受容される。それゆえに救済史における終末論的真理の宣言は、世俗史においても、その反映を見せるに違いない。

 「実存」とは、まさにそのような言葉であった。キリスト教的実存主義が将来に待ち望むイエス・キリストの再臨の時は、以上の論理からして、また同時に「反キリスト」の時への待望として、世俗史の中では作用するのかも知れない。

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