« 創造活動とは | トップページ | ロシアの巡礼たち »

2007年5月12日 (土)

歴史への挑戦

 ベルジャーエフは歴史に対して常に挑戦している。

 では、歴史とは何か。実存主義哲学において問題にされる歴史とは単なる暦的時間の流れではなくて、人間の原罪から始まる罪と悪との必然性、悪しき無限である。この歴史を徹底的に否定すること、これが終末論的信仰である。「ただメシア的意識のみが歴史的なものを超克する」(『神と人間の実存的弁証法』)。

 彼はこの歴史に対する挑戦を意識の根源的変化に結びつけている。「終末論的意識は人間意識の深い変化を前提とする」(『わが生涯』)と言う。ここに主観的終末と客観的終末との区別が現れる。この場合の主観的、客観的の区別は確実性による区別ではなく、ただ個人的か、あるいは全体的かという区別である。実存主義キリスト教は生成を、運動を重んじるが故に、主観的終末の基盤に立って、まだ来ていない客観的終末に目を向ける。しかし、聖書はそれについて沈黙しており、ただ父だけが知っているという。

|

« 創造活動とは | トップページ | ロシアの巡礼たち »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 創造活動とは | トップページ | ロシアの巡礼たち »