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2011年2月16日 (水)

「天は自ら助くる者を助く」

「天は自ら助くる者を助く」という格言がある。最初、その意味がよく分からなかった。日本語の訳としては、余りよくないのではないたろうか。英語では、誤解はないと思う。

英語では、Heaven helps those who help themselves. である。要するに、自分で努力する者に天は援助を与える、という意味である。

日本語の訳が、なぜ紛らわしいかと言えば、「天は自ら」の「自ら」が、本当は「自らを」と言わなければならないのを、「自ら」というので、これが主語の「天」にかかる言葉ではないかという疑いが起きるからである。「を」の一字であるが、これがあるのと、ないのとでは、大きな違いが起きてしまう。しかし、「を」を入れてしまうと、日本語としては朗読に耐えないということになってしまうのだろう。

要するに、この格言は、キリスト教神学的に言えば、半ペラギウス的な解釈が正解なのである。神人協力説であり、第一歩は人が踏み出せと言っているのである。

ところで、こんな意味のあいまいさから来る興味深いエピソードがある。

明治学院院長であった故武藤富男氏が小学6年生の時、この格言の解釈を問う試験が出て、「自ら」を「天」にかけた解釈を書いたという(『社説三十年 第一部』武藤富男著、キリスト新聞社、93頁)。結果は零点であった。

武藤氏は、予定説的解釈をしたと書いているが、日本語訳では、そういう解釈もありうるのではないかと思う。

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