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2014年2月14日 (金)

万人の天職

「万人の天職は何ですか?」
「吉満義彦というカトリックの思想家のドイツ語の詩の中に、『私にはもう思索は出来ない。祈るのみ』という個所があります。思想家を天職としたら、思索力は不可欠でしょうが、それがなくなっても、祈ることはできます。祈りは万人の天職ではないでしょうか」

「吉満義彦って、どういう人ですか?」
「明治37年10月13日に誕生したカトリック哲学者です。享年41。東大の学生だった時には、内村鑑三の集会に出ていましたが、岩下壮一神父の影響でカトリックの信徒になりました。パリに留学し、ジャック・マリタンに師事。晩年は司祭の道を目指したけれど、若くして亡くなりました。『三田文学』で若松英輔氏が『吉満義彦』を長く連載していましたが、最新号にはありません。単行本になるという話もあるようですが、実現すれば楽しみです。有志らが命日に『しのぶ会』を開いてきましたが、ここ2回はしていないようです」

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中島みゆきさんの曲に学ぶ

「自分は今、どこにいるんだろうか?」「中島みゆきさんに聞いてみるといいよ。『ヘッドライト・テールライト』という曲があるよね。旅をしているんですよ。人生は旅なんです。だから、自分の乗っている車の前後を照らして、間違いのない運転をして、無事に目的地に着いて欲しいね。車の前後にあるヘッドライト、テールライトが大切。中島みゆきさんには人生を歌った曲が多いけど、なかなかのもんだ」

「『ヘッドライト・テールライト』はいい歌だね。このライトは何なんだろうか?」「教皇フランシスコの回勅『信仰の光』(カトリック中央協議会)があるよ。参考になると思うよ」

「『地上の星』も名曲じゃあないだろうか?」「そうだね。無名の偉人たちを歌っているんだろう。なかなか含蓄の深い言葉だよ。星は空、天にあり、道しるべになる、地上にはない。地上に星はあるわけないけど、闇を照らす光という意味でしょう。地上の星、ただ我々が気づかないだけだ、と」

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西田哲学とキリスト教

「哲学は何を目指して学ぶんだろうか?」「自分の頭で考えて、人生観、世界観を作ることだろうね。まあ、いろんな観、哲学があるから、それをどうするかが課題だろう。それを突破するには形而上学があるけど、それは宗教の入口かもね」

「ところで、哲学に救いはあるの?」「いや、救いはないと思うよ。救いの実現は宗教の領域だろうね。しかし、哲学は、人が求道の道を行く時の同伴者や、宗教的真理を説明する時の協力者にはなれるだろうね」

「哲学に救いはないと言うけど、じゃあ西田哲学はどうなの?」「絶対矛盾的自己同一って言葉は宗教的悟り、救いの転機をさしているように思えるんだよね。だから本質は宗教哲学なんだろうね。それも宗教を外側から記述するのではなく、もっと核心的なところまで迫っていると思うよ」

「西田哲学とキリスト教との関係を書いた本があるんだって?」「うん、『西田幾多郎とキリスト教の対話』(浅見洋著、朝文社)があるよ。それ以外にも、彼の晩年の伴侶になった山田琴という人がクリスチャンでね、湘南YWCAの初代会長になった人だよ。『西田幾多郎の妻』(上田久著、南窓社)という本があるよ」

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2014年2月 5日 (水)

岩波文庫に『文語訳新約聖書』

自宅近くの書店で、岩波文庫の『文語訳新約聖書』を購入した。その後、新宿のキリスト教書店で、日本聖書協会の文語訳聖書を見た。そこには講壇用と思える大型の聖書が二種類、小型の新約聖書が一種類あった。何か、文語訳は今でもあるというために置かれているようで、売ろうという意欲は余り感じなかった。岩波文庫の方が、分厚いけど、読みやすいと思う。この機会に文語訳を読む人もいよう、また見直す人もいよう。

聖書には、いろいろな種類がある。読んでいて、少しでも違和感を覚えると、それから先には進めなくなるかもしれない。そんな人には、この機会に文語訳を試してみるのもいいかもしれない。あるいは、どんどん読めるかもしれない。

そんな人には、文語訳のどこに魅力があると思えるのだろうか。内村鑑三の文体にひかれるのと同じような魅力を文語訳にも感じるかもしれない。簡潔な、そして明確に文体は、どこか似ているように思われる。

しかし、やはり、歴史的に古いという事実は変わらない。それはもう意味がないということであろうか。いや、そうではないかもしれない。今では使われない言語にラテン語がある。使われていたのは西洋の中世。しかし、中世は古いのだろうか。確かに歴史的には古い。しかし、信仰と理性との関係に関しては、今でも、なお中世は宝庫ではないだろうか。

文語訳聖書の刊行に、こんなことを思った。

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