万人の天職
「万人の天職は何ですか?」
「吉満義彦というカトリックの思想家のドイツ語の詩の中に、『私にはもう思索は出来ない。祈るのみ』という個所があります。思想家を天職としたら、思索力は不可欠でしょうが、それがなくなっても、祈ることはできます。祈りは万人の天職ではないでしょうか」
「吉満義彦って、どういう人ですか?」
「明治37年10月13日に誕生したカトリック哲学者です。享年41。東大の学生だった時には、内村鑑三の集会に出ていましたが、岩下壮一神父の影響でカトリックの信徒になりました。パリに留学し、ジャック・マリタンに師事。晩年は司祭の道を目指したけれど、若くして亡くなりました。『三田文学』で若松英輔氏が『吉満義彦』を長く連載していましたが、最新号にはありません。単行本になるという話もあるようですが、実現すれば楽しみです。有志らが命日に『しのぶ会』を開いてきましたが、ここ2回はしていないようです」
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