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2016年10月 5日 (水)

中世を考える

「ルネサンスは光の到来なの?」
「楽園にいた人々がサタンのささやきに乗ったのかも知れない。人間中心主義なんだから。けど、そこから宗教改革が起きて中世が瓦解すると共に、福音が西洋だけでなく世界に伝播していったことを思えば、意味があるのかも知れない」
 
「西洋中世を『暗黒の中世』と見る人がいたけど、まだいるらしい。本当にそうなの?」
「ルネサンスを光の到来と見るからだろう。近世が始まり、近代になり、それが終わってポストモダンになったけど、中世に戻るとか中世再考とは言わない。暗黒時代の印象があるからだろう」
 
「西洋の中世は何だったんだろうか?」
「『信仰の時代』って表現していた本があったけど、プロテスタントには違和感があるかもね。本当の信仰を求めて宗教改革が始まったけど、その時代、中世の後の近世はむしろルネサンスの影響が強く、人間の復権の時代とみられているかもね」
 
「『暗黒の中世』って言葉があるけど、どう思う?」
「中世には暗黒だけでなく、光もあったと思う。しかし、歴史は暗黒への反発から近世に移行していく。何故か。福音が西洋だけでなく、全世界に伝わるためじゃないかな。福音は西洋のためだけでなく、世界のためだからね」
 
「西田哲学って何だろう?」
「彼の言葉から推察すると、一番近いと思うのは西洋中世哲学かな。言葉を変えれば、信仰と理性との関係の仕方が、中世哲学の根本と同じということ。西田にとって、宗教はキリスト教ではなく、禅だったけどね」
 
「なぜ、暗黒の中世って言うんだろうか?」
「それは近世に価値を置こうとする歴史観によるんだ。そこにはルネサンスと宗教改革の二つの原理があるんだ。両方とも光かも知れないけど、この二つは互いに対立するよ。近世は近代になり、現代になるけど、近代への反省もあるんだ」
 
「暗黒の中世っていうけど、本当?」
「ギリシャとユダヤの伝統が混じって出来たものだから、どちらかの伝統に純粋に立とうとする人たちには批判の対象になったんだろう。しかし、反省すれば、人生には両方の要素があるんだ。円環と直線、両方ともあるんだ」

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